こんにちはトラオです。
なんとなく始めてしまったブログですが、そもそも映画やドラマのエキストラってどんなことをするものなのか、きちんと説明していなかったので、改めてまとめてみようと思います。

一口にエキストラと言っても、その役目は結構いろいろあります。「映画」「ドラマ」「バラエティ」「再現VTR」「CM」「MV」「WEBムービー」「写真広告」などなど、その媒体も様々ですし、それぞれの中での役割にも種類があります。
通行人などのいわゆるモブキャラやメインキャストの隣にいるサブキャスト、メインキャストさんの代わり(リハーサル時)を務めるスタンドイン、バラエティ番組のシミュレーションなんかもエキストラが務めることがあります。

では、それぞれどんなお仕事か簡単にご紹介します。

1 ドラマ・映画などの映像系のエキストラ

エキストラと聞いて、真っ先にイメージするのがこれだと思います。
映画やドラマなどで俳優さんたちの後ろの方にいる、通行人やお店のお客さんたちですね。実際の募集案件としてもこれが一番多いです。

映画・ドラマを観ていると、背景にたくさんの通行人が映っていたりしますよね。あれはたまたま撮影中に後ろを通った人ではなく、全部エキストラです。駅のシーンやショッピングモールのシーンなど、外ロケで何十人も映っているシーンでも、全部エキストラだと思って間違いないです。だから案件によっては100人とか集まるわけで・・、そんな時の現場は超カオス。助監督さんたちは全員の点呼を取って、立ち位置と動きを決めて・・と準備がめちゃくちゃ忙しいです。

本番の時には一般の通行者を一時的に止めなくてはいけないので、撮影は平日に昼間や深夜、早朝のできるだけ一般の方がいない時間を狙って撮影します。スタジオ撮影で、グリーンバックを使って、背景は後からCG合成することも多いですね。

なお、運がいいとタレントさんのすぐ横に立つ役、なんてこともありますが、動きや台詞を伴うサブキャストは、ほぼ役者の卵さんが務めるので、あまり期待しないように。笑
たまに人気俳優さんの近くに配置されたときはちょっとテンション上がります。笑

エキストラの足元

エキストラの衣装は原則すべて自前です。事前に伝えられる季節や役柄の設定に合わせて着用ないし持参をします。
夏に冬のシーンを撮影する時は、暑い中コートを着なきゃいけないことも。もちろんその逆もあります。また、撮影によっては、別人として何シーンも撮影することがあります。そのため着替えを数パターン持参して、カット毎に着替えるなんてこともザラ。撮影によっては荷物が多くなるので、小さめのスーツケースがあると便利です。
1日目はアングルチェック(立ち位置やカメラアングルなどの機材設定を決める)だけで、本番撮影は後日、というスケジュールも少なくありません。

2 写真(スチール)のエキストラ

写真だけのエキストラ案件もあります。映画やドラマの中で使われる集合写真やアルバム写真、ポスター、交番に張られている指名手配写真なんてのも、エキストラを使って撮影します。
私も過去に小道具に使われる新聞の記事に使われる写真や、ドラマの中のTVに映るニュース映像(被害者写真)のお仕事をしたことがありますが、撮影時間が短くて割がいいので好きでした。笑

写真文化は明治時代くらいからあるので、時代設定によっては、衣装を着て撮影したり。事前にカツラ合わせや衣装合わせがあったりします。
ちなみにファッション系のCMやプロモーション映像は、大抵の場合、スラっとしたモデル事務所さんの方が颯爽とさらっていきますが、スタイルに自身のある人はぜひアピールしましょう。

アルバムの写真

3 スタンドイン・シミュレーションのエキストラ

エキストラのお仕事には、全く映像や写真に残らないものもあるんです。それが「スタンドイン」や「シミュレーション案件」。簡単に説明すると以下のとおり。

スタンドイン

タレントさんの代役のこと。主にCMやバラエティ番組の事前テストに必要とされ、本番がスムーズに進行できるように行う準備のための役割。テストとはいえ本番同様の動きが求められる。

シミュレーション

クイズ番組や運動系のバラエティ番組などで、実際に進行テストを行うためのタレントさんの代役。クイズのボタンの反応や企画した競技の難易度の確認・調整を行う。

CM撮影などに起用される有名タレントさんたちはたいてい撮影本番の時だけ登場します。それまでの準備やテストは代役が務めることが多く、その役はエキストラ募集として声がかかることがあります。
代役といえども、カメラアングルや照明などの設定を徹底的に準備するため、タレントさんと背格好が似ている人が望まれます。身長・体重、髪の長さや出来れば肌の色も同じ感じの人が良いわけです。また、CMでの動き(決め台詞やダンスなど)も本番同様にやらなければいけません。ほかのエキストラたちがいたりもしますが、恥ずかしがっていては務まりません!

スポーツ系番組や新しいクイズ番組も事前にシミュレーションをして、競技時間や難易度なんかをチェックします。
エキストラの中でも運動を得意とする人が集められ、事前に一通りやるのですが、何度も同じ競技を繰り返しテストしたりするので、死ぬほど疲れます。プロフィールの特技欄に運動系の経験を書いた人はお声がかかることがあると思いますのでぜひ一度やってみたらよいかと。

他にも、企業の開発部門からシミュレーションデータ収集の協力依頼なんてものたまにありますよ(人感センサーや無人販売システムのテストなど)。

クイズ番組のシミュレーション
まとめ

・エキストラと一口に言っても役割がいろいろあるから、割と飽きない
・結構細かく、歩き出すタイミングや仕草の指示があるので、適当にやってればOKかと思いきや緊張感ある。
何パターンも自前衣装を持って行かなきゃいけない時は少し辛い。
・夏にダウンとかマフラー着て撮る冬シーンはマジ死ぬし、真冬にTシャツも凍死する。
・オンリーはちょっと恥ずかしい。
・あと肝心なこと言い忘れたけど、待ち時間が異常に長いときある、(8時間とか)。これもエキストラの仕事のうちと割り切るしかない。というかエキストラの一番のメインの仕事は”待つこと”と言っても過言ではない。
・運動系のシミュレーションをすると翌日筋肉痛必至
・スタンドインは、一瞬タレントさん気分が味わえるけど、通りすがりの一般の方に「誰あれ?知らねえ」とか言われるとちょっと切ない。


以上、そんなところです。