この記事で解決できる悩み
  • ふるさと納税ってなんとなく面倒そう
  • 税金の控除申請なんて聞くと難しそう
  • 初心者でも失敗しない使い方を知りたい!

  • こういった疑問や悩みに応える記事です。

トラオ
  • 高田しんいち (フリーランスのWEBライター)
  • 某メガバンクの会報誌制作歴15年
  • 株式投資・副業にも日夜いそしむそろそろ中年の男子

ふるさと納税制度は、2008年(平成20)にスタートして以来、度々改定が行われています。
そしていよいよ、2025年は利用者にとって大きな制度変更が行われる予定で、毎年ふるさと納税を行っている人も注意が必要です。

これから使いたい方にはもちろん、制度をおさらいしたい方にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ふるさと納税のしくみと目的

ここでは、ふるさと納税制度について基本的なしくみを解説します。
まず、制度の意味や目的、税金控除について、正しく理解しておきましょう。

「前置きはいから、早くふるさと納税使い方・手順を知りたい」と言う方は「ふるさと納税の使い方|初心者でも簡単にできる簡単4ステップ」に進んでください。

・ふるさと納税の定義と目的 

”納税”と名前がついていますが、ふるさと納税の基本は”寄付制度”です。  
自分が応援したい自治体に「寄付」ができる制度で、寄付を行うと、自己負担2,000円を除いた金額が所得税や住民税から控除されます。寄付を受けた自治体は、その資金を地域の課題解決や産業の振興に活用し、寄付者は特産品などの返礼品を受け取ることができるのが特徴です。ふるさと納税は、都市部に集中しがちな税収を分散させ地方創生を活性化させることを目的にしています。 

・税金の控除との関係 

ふるさと納税として自治体に寄付をした金額のうち、自己負担分の2,000円を差し引いた金額が税金から控除されます。 
たとえば、1万円を寄付した場合、8,000円分の控除となります。控除は「所得税の還付」と「翌年度の住民税の控除」から成り、合計で寄付額のほとんどが戻る仕組みです。ただし、年収や扶養、住宅ローン控除の有無などに応じて「控除上限額」があります。上限を超えた部分は自己負担になります。 

ふるさと納税控除額

寄付金額に関わらず、自己負担額2,000円です。申込ごとに2,000円負担が発生するわけではなく、1年間の全申込の合計で、自己負担が2,000円となります。

しんいち

自己負担2,000円で選んだ返礼品が届く、と考えると多くの返礼品がお得!というわけですね。

「お得だ」「やらなきゃ損だ」と言う声をたびたび聞くふるさと納税ですが、気を付けなければいけないポイントも押さえておきましょう。メリットだけでなく、デメリット・リスクについて説明します。

・ふるさと納税のメリット

好きな地域を応援しながら税負担を抑えられる点が最大の魅力です。返礼品を通じて地域の名産に出会える楽しさもあります。自治体によっては寄付金の使途を指定でき、災害復興や子育て支援、福祉の充実など、様々な分野から社会貢献できるのも利点です。 

・ふるさと納税のデメリット

前述のとおり、寄付全額が控除されるわけではなく、2,000円の自己負担が発生します。ただ、受け取る返礼品を考慮するとお得感のある制度といえるでしょう。 
なお、税金の控除や還付が行われるのは翌年です。その年は一時的に”持ち出し”となるため、手元資金の余裕の範囲で行うことが大切です。 
 
また、控除上限を超えると自己負担が増えることや、申請手続きを忘れると控除が受けられないことにも十分注意が必要です。 

控除上限は、源泉徴収票が勤め先から届いてから(11~12月頃)でなければ正確な限度額が計算できないと思います。
予想年収で行なう場合は、ふるさと納税を控えめに行っておき、年末に再度確認して追加の寄付を検討することをおすすめします。

しんいち

人気の返礼品は夏ごろには締め切りになるものもあります!
早めに申し込んでおきたいものと、年末の調整用のものと、分けてリストアップしておくとよいですよ!

・ポイント付与の禁止

2025年10月から、ふるさと納税の「仲介サイト(ポータル)」などを通じた寄付に対し、サイト側が利用者へ独自ポイントやマイルを付与することが禁止される予定です。 
これまで、ポイント付与を大きな”売り”にしていたポータルサイト運営各社にとっては大きな変更点です。また、利用者側にとっても大きなメリットが減少するため”改悪”とも言われています。このため、9月までに駆け込み需要が集中し、人気の返礼品などは、例年以上に、早期終了となることが予想されます。 

2025年9月30日までは、これまで通りポイント付与が受けられます。
楽天やふるなび、さとふるなどのポータルサイトを利用している方は、9月中にある程度のふるさと納税を行うことをおすすめします。
なお、クレジットカード決済で付与される通常のポイント還元は現在のところ”対象外”です。

【ポータルサイト各社のポイント競争が過熱し、ふるさと納税制度の本来の目的である「自治体を応援する」という趣旨からずれてきている】というのが総務省による廃止理由の説明です。

しんいち

ポータルサイトを利用している人は、9月中がお得!
各社が駆け込みで高還元率キャンペーンを行っているのでチェック!

では、いよいよふるさと納税の使い方をご紹介していきます。
ステップ1から順に進めていきましょう。

STEP1
控除上限を確認する

最初に、自分の控除上限額を把握しましょう。年収、家族構成、共働きか否か、住宅ローン控除・医療費控除の有無などで上限は変わります。ポータルサイトのシミュレーターや、源泉徴収票の数値を基にした概算で目安を出し、余裕を持って寄付計画を立てると安心です。 
 
(参考:総務省 ふるさと納税ポータルサイト) 
全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安はこちら 

控除額の計算(シミュレーション)はこちら 

しんいち

同じくらいの年収の人でも、家族構成などによって、控除上限額は一人ひとり異なります。必ずシミュレーションを行ってから、寄付をしましょう。

STEP2
ふるさと納税の申込方法を選ぶ 

寄付の方法は、ポータルサイト経由と自治体への直接申込みの2通りがあります。 
ポータルサイトは、検索性や配送状況の確認がしやすく利便性も高いですが、自治体サイトにはポータルサイトにはない独自の返礼品が掲載されていることもあります。 
2025年10月以降はサイト独自ポイントが使えなくなるため、選定の際は「手続きの利便性」「返礼品の内容」を軸に検討するとよいでしょう。 

しんいち

初心者の方はポータルサイトからの申し込みが便利です。
申込履歴や寄付金額の合計、控除上限額の管理など、便利なツール揃っています。

STEP3
寄付先の自治体・返礼品を選ぶ 

食品の場合は到着時期や賞味期限、冷蔵・冷凍、量などを必ず確認しましょう。日用品や体験型は使用予定日や有効期限を見て、生活に合うかを判断することも大切です。 
ポータルサイトには人気ランキングや検索機能もあるので活用しましょう。 

STEP4
控除を受ける手続きをする 

控除手続きは2種類あります。給与所得者で寄付先が5自治体以内の場合は「ワンストップ特例制度」が便利です。寄付の都度届く申請書にマイナンバー関連書類を添えて、翌年1月10日必着で返送すれば手続き完了となります。 
寄付先が6自治体以上ある場合や、医療費控除や住宅ローン控除の初年度で確定申告が必要な場合は、翌年の確定申告で申告をします。いずれの場合も期限を過ぎると控除が受けられないため、寄付と同時に申請準備を進めることをおすすめします。 

ふるさと納税の手順

会社員の方で、確定申告を個人で行っていない初心者の方は、寄付先を5つの自治体までに限定し、ワンストップ特例制度で控除手続きを行うことをおすすめします!
なお、ワンストップ特例制度の”5つまで”はあくまでも寄付をする”自治体の数です。複数の寄付を同じ自治体に行った場合でも、カウントは1です。

 うっかりさん

お得になるはずか、なにか間違ったみたい!
返礼品で得するはずが、高い買い物になっちゃった!

ここで、初心者の方が、うっかりやってしまいがちな、ふるさと納税あるあるを3つご紹介します。

  • 控除上限を超えて寄付をしてしまう

わずかに上限を超えた場合でも、超過分はすべて自己負担になります。合計寄付額をこまめにメモし控除範囲内で超えないよう注意をしましょう。源泉徴収票が出た時点で再確認することをおすすめします。 

  • ワンストップ特例の申請忘れ 

申請書の返送期限は翌年1月10日必着です。引っ越しなどで住所が変わった場合の変更届も忘れがちなポイントです。年末ギリギリに行ったふるさと納税は、申請が1月10日までに間に合わない可能性もあります。ふるさと納税は早めに行い、申請書が届いたらすぐに返送しましょう。少しでも不安があるなら、確定申告に切り替える判断も有効です。 

  • 返礼品選びで後悔してしまう 

魅力的な返礼品についつい舞い上がってしまいがち。いざ届いてみると、大容量の食品を一度に受け取って消費しきれない、冷凍庫に入りきらない、配送時期が重なる、そんな“あるある”も少なくありません。定期便や容量控えめを選ぶ、到着時期をずらす、といった工夫で防ぎましょう。 

ふるさと納税は、控除上限の確認、寄付先・返礼品の選定、手続きの完了という流れさえ押さえれば、はじめての方でもスムーズに活用できます。ポイントを押さえ、自分に合ったやり方でふるさと納税を楽しみましょう。 

2025年10月からはポータルサイトの独自ポイント付与が禁止となる予定で、ふるさと納税は本来の目的である「地域性」「地方創生」をより重視する方向に進みます。 

しんいち

最新ルールに沿って、自分の暮らしに合う形で、地域を応援する納得の一歩を踏み出してください。

 

参考文献 
・総務省 ふるさと納税ポータルサイト 

(本記事は2025年9月時点の公開情報に基づき執筆しています。最新の公式発表・各自治体の案内も併せてご確認ください。)